「せっき精神年齢低いから、奈都ちゃんも気兼ねなく話せるみたい」


私は奈都と雪希を見ていると、そこにカオルが合流する。

奈都は兄の登場に驚き、浮き輪から落ちる。

遠目でそんな光景を見ながら、食べ終わったかき氷の器をゴミ箱に捨てる。


「ねぇ、綺月ベロ出してよ」


菜穂に言われ、私は舌を出す。


「うわっ!真っ赤だ!イチゴ味!」

「かき氷の欠点はこれだなぁ」


冷たくて甘くて夏には最高だから、舌が着色されるくらいはやむを得ない。


「ねぇ、やっぱり海入ろうよ」

「だから水着持ってきてないって」

「今から買いに行こうよ、誰かに乗せてもらってさ!」

「えー面倒臭い」

「んもう!何でよ!」


菜穂は足をバタバタさせながら子供みたいに駄々を捏ねている。