「なんで?なんでなの?」


私は冷たくて甘いシロップがかかったかき氷を食べながら、菜穂の質問攻めを右耳から左耳へと受け流す。

カオルが好きだとハッキリと認めてから、菜穂は正当な理由を求めてくる。


「何であんな女癖悪い奴なのよ」

「そんなの私が知りたいよ」

「何で自分の気持ちなのに分からないのよ!」


私だってあんな女にだらしの無い男を好きになるとは思わなかった。

夜職終えた後は甘い香水を垂れ流して、腕を絡めてくる女の人がいる状態で違う女の人に話しかけたりするような男のどこが良いのか。

でも、好きになっちゃったんだからしょうがない。


「まぁ確かに顔はイケてると思うし、スタイルも良いから彼氏にしたら自慢できると思うけど、それだけだよ?顔なんて三日で飽きるんだよ?」


仲良いのに、容姿だけしか褒められないカオルが不憫でならない。