「もうぬるいだろ?そんなんじゃ冷やす意味ないだろ」


電話で席を外していた一喜さんが、一部始終見ていたのかケラケラと笑いながら新しく買ってきた飲み物を私の頬に当てる。


「綺月ちゃん、カオルのこと好きなのか?」


その問いはもう愚問でしょ。


「こんなの、明らかに好きでしょ。
認めたくないけど…」


ずっと追求しないようにしてきたけど、もうさすがに無理。

私はカオルが好き。多分かなり好き。


「えっ、えっ!え!?」


菜穂の驚いた声が響き、幸人は面白そうに笑って、海斗は興味無さげに海へと戻った。

このモヤモヤとした気持ちをハッキリと理解してしまったら、驚くほどスッキリと心が晴れた。