「私はカオルの女じゃないし、セフレじゃないし、どうせ女としても見られてないわよ」

「…なに?自暴自棄になったの?」


彼女達が鼻で笑う。


「でも今心底そういう目で見られなくて良かったと思ってる。あんたらと同類なんて気持ち悪くて生きるのも恥ずかしい」

「はぁ?」

「結局カオルに相手にされないから僻んでるようにしか見えないし、そんな牽制見てて痛いからやめたら?」


彼女達の真ん中に立つリーダー格の女が、私の頬を勢いよくぶっ叩いた。

痛みが頬から全身へと痺れた。

私はやり返したくなる気持ちをグッと堪え、女を睨みつける。


「カオルの価値は、あんたらなんかが推し量れるほど安くないのよ」


お願いだから、カオルの前から消えて。


「調子乗んなよ!」


また女が頬を叩こうと手を振り上げると、今度は振り下ろされることは無く、海斗が阻止する。