「家に一度帰ろうかなって思ってて」
夏休みに入り、母のことを考えることが多くなった。
時間が空くと、気付けば母の生気を失ったあの姿を思い出してる自分がいた。
「馬鹿じゃねぇの?」
海斗が吐き捨て、鼻で笑った。
「あんな家に戻って、なんの意味があんだよ」
「戻るっていうか様子を見に行くだけで」
「それこそ何のためにだよ、必要ねぇことして時間無駄にすんな、馬鹿が」
母と私が討論になった理由や内容は、カオルと奈都しか知らない。
母がどういう状態だったのか知っているのも私しかいない。
あんな風に取り乱し、怒鳴りつけこの家に縛り付けようとした母を知っているのは私だけだ。
幸人はまた頭の中で考え込んでいる私を見て、母親のことが未だに心配になる理由があるのだと悟る。
「それはカオルに相談した?」
「…ううん」
「菜穂には?美月さんには?」
幸人の問いに私は首を振った。
カオルにも菜穂にもお姉ちゃんにも相談しないのは、行くべきではないと言われることが目に見えているから。
夏休みに入り、母のことを考えることが多くなった。
時間が空くと、気付けば母の生気を失ったあの姿を思い出してる自分がいた。
「馬鹿じゃねぇの?」
海斗が吐き捨て、鼻で笑った。
「あんな家に戻って、なんの意味があんだよ」
「戻るっていうか様子を見に行くだけで」
「それこそ何のためにだよ、必要ねぇことして時間無駄にすんな、馬鹿が」
母と私が討論になった理由や内容は、カオルと奈都しか知らない。
母がどういう状態だったのか知っているのも私しかいない。
あんな風に取り乱し、怒鳴りつけこの家に縛り付けようとした母を知っているのは私だけだ。
幸人はまた頭の中で考え込んでいる私を見て、母親のことが未だに心配になる理由があるのだと悟る。
「それはカオルに相談した?」
「…ううん」
「菜穂には?美月さんには?」
幸人の問いに私は首を振った。
カオルにも菜穂にもお姉ちゃんにも相談しないのは、行くべきではないと言われることが目に見えているから。

