Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「お前も来てたのか」

「…うん、まぁ、でももう帰る」

「え?もう帰るの?」


女癖が悪いと散々みんなが言っていたことが、今になってハッキリと理解する。

汚い。気持ち悪い。


「帰るなら送ってく」

「いい」

「いや、車待つより俺がバイクに乗っけて行った方が早いだろ」

「いいってば!」


絡められた腕を見て、私はつい強く言ってしまった。


「なにこの女」


誰かがそう呟いた。

気持ち悪い。気持ち悪い。


「カオルの後ろには、乗りたくない」


そう吐き捨てると溜まり場を逃げるように出て行く。

色んな女を乗せたカオルのバイクには乗りたくない。

気持ち悪いし、汚いし、なりよりあんな尻軽女と同類と思われたくなかった。

居候させてもらってる身のくせに、生意気だな私。

それに一番気持ち悪いのは、自分が嫉妬のような感情をその女達に抱いていることだった。

嫉妬なんて、こんなのカオルのことが好きみたいじゃん。

初めての感情に気持ち悪さを覚え、全身から震えがした。

外でバイクをいじっている音に私はまた嫌気がさして耳を塞いだ。

その日の夜、やはりカオルは家に帰って来なかった。