Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

母の支配から離れて、私の生活はガラリと変わった。

朝は朝ごはんの良い匂いで目が覚める。

必ず誰かとご飯を食べて、それでいて三食全て温かい。

食べて寝て規則正しい生活をすれば、不思議と勉強にも集中出来た。

もう勉強に縛られることは無い、でも成績は落としたくないから暇な時があれば教科書を開く。

時々奈都の勉強を見てあげて、解けなかった問題が解けた時は一緒になって喜んだ。

そんな日々を送っていると、あっという間に二週間が経つ。


「綺月、美月さんまだ来てないから二階で待ってるといいよ」


今日は久しぶりにお姉ちゃんが溜まり場に顔を出すというので、菜穂に連れられ私も溜まり場に来ていた。

お姉ちゃんを待っている間、私は二階の部屋へと足を踏み入れる。

二週間ぶりの溜まり場に異様に緊張していた。

扉を開けると、一人だけ椅子に座って読書をしている男の人がいた。

見たことない人だ、この部屋にいるってことはカオルと仲良いのかな…

彼は私に気付くと、待ち合わせでもしていたかのように手をヒラヒラと振った。