Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「綺月ちゃんが好きな物作って待ってたの!」


今まで誰も自分の帰りなんて待っていなかったし、毎日あの冷たい家に帰ることが苦痛で仕方なかった。

でも今はそんな事ない。

それが嬉しくて嬉しくて、思わず涙が出てしまった。


「え、綺月ちゃん?」


私最近泣いてばっかだ…

袖で乱暴に拭うが、また次から次へと溢れ出る。


「どうやって死のうか考えてたけど、あの時死ななくて良かった…」


あのまま母の言われた通り死んでいたら、一生後悔するところだった。

だってもう一生分の幸せを貰っている。


「ごめん、食べよう!」

「うん、冷めないうちに食べよう!」


みんなで手を合わせて、奈都の作った温かいご飯を泣きながら食べた。

その日は、いつもみたいにご飯を食べ終わると、奈都と一緒に皿を洗い、カオルはバイトに行き、夜は眠くなるまで奈都と勉強をした。

何事も無かったかのよう、またいつもみたいに過ごした。