「綺月は黄身は硬め?それとも半熟?」

「硬めが良い」

「私と一緒だ」


まだ目を覚ましていないんじゃないかと不安になるくらい、この時間がとても幸せに感じた。

ずっとこうして話がしたかったのだと、今はっきりと気付いた。


「ちなみにカオルは半熟が好きだよ」

「うん、ずっと半熟だった」

「あっ、そっか、カオルの家に居候してたんだっけ」


雑魚寝しているAgainのメンバーを見るが、そこにカオルの姿はなかった。


「カオルは奈都ちゃんがいるから家に帰ったよ」

「そっか、カオルにも迷惑かけたし謝らないとなぁ…」


ここまで連れてきてくれたのはカオルだし、あの夜もカオルと菜穂が迎えに来てくれなければ公園で野宿するところだった。