【カオルside】


綺月はやっと泣き止んだかと思えば、今度は美月を抱き締めたまま眠ってしまった。


「赤ちゃんかよ」


鼻も目も真っ赤な綺月を見て笑いがこぼれる。


「奥のベットで寝かせてやれ」


事の一部始終を静かに見ていた聡は、美月から離れようとしない綺月の頭を撫でながら言う。


「ったく、世話が焼けるな」


カオルは綺月を持ち上げると、起こさないように静かにベットに寝かせる。


「美月も頑張ったな」

「今日はここに泊まっていい?」

「あぁ、もう遅いしみんな泊まってくだろ」


俺の後ろで美月と聡がそんな会話をしていた。