Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「お母さんを捨てるなら、そのお金払ってから消えてくれない?」

「…出来ない」


私が首を振ると、母は乾いた笑みをこぼす。


「だったら!ここにいなさいよ!」


母が私のカバンを奪い取ると床に叩きつけた。

まるで自分が母に殴られたかのように痛かった。


「払えないなら、お母さんの言う通りに生きなさい!」


母の望む通りに生きたら、本当の私はどこに行くの?


「…そんなの、死んでるのと同じだよ」


本当の私が死んだら、きっとこの取り繕った私も死ぬ。

母は私の言葉に酷く傷つけられた顔をした。


「だったら、死になさい」


酷く寒い場所に放り込まれたかのように身体が硬直して、鈍器で殴られたかのように衝撃が全身を巡る。

……そんなの、あんまりだよ、お母さん…

母はフラフラな足取りで、また床に座り込むと私の存在を消した。