Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

このまま学校を休むわけにはいかないし、菜穂にも連絡したかった。

私は心を落ち着かせて、二週間ぶりに家の扉を開けた。

扉が閉まると、やっぱり家の中は外よりも静かで急に怖くなった。

玄関には脱ぎ投げたように散らばった母の靴があった。

それに違和感を感じる。

いつも母はきっちりと靴を揃える人なのに、こんなに散らばっている状態を見たのは初めてだった。

ゆっくりと廊下を歩いていき、リビングを静かに覗く。

私のカバンは家を出て行ったあの日以来、同じ場所に放置されていた。

リビングに足を踏み入れると、母は床に座って窓から見える庭をずっと見ていた。

息をしているのか不安になるくらいピクリとも動かない。


「…お母さん?」


心配になって声をかけるが、母から返事は返って来ない。

こんな母は見た事がなく、何か嫌な予感がして、私はその場からすぐに立ち去りたくなった。