Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「時給がいいんだよ、そういう夜の仕事は」


生活費も稼いで、更に奈都の学費も払っているとなると、それだけのお金を一人で稼ぐのがどれだけ大変なのか私には分からない。

たくさんのものを捨てたんだろうし、たくさん傷つけられたんだろう。


「生きていくには金が必要だからな」


きっと母も私達を育てるために、たくさんものを捨てたんだろう。

私にはお金を稼ぐことの大変さは分からない。

だからこそ、カオルを見てると母に申し訳なくなる。

私は本当にお荷物だ。


「ごめんね、カオル」

「んだよ、急に」

「あんたは良いお兄ちゃんだよ。
不良だって馬鹿にしてごめん」


私は泣きそうな顔でカオルに謝った。