Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「寝るの?」

「ん、眠い」


カオルは欠伸をしながら私の顔を見る。


「おやすみ、カオル」


その時、無意識に私はカオルの名前を呼んだ。

カオルは一瞬驚くと、顔に手を当て、長い息を吐いた。


「……なに?」

「……お前、急に名前呼ぶなよ」

「えっ?だめ?」

「だめじゃねぇけど、人が必死で抑えてるってのに。あんま俺を誘惑すんなよ、もたねぇから」


カオルはそう言って扉を閉めた。


「……別に誘惑したつもりないんだけど」


私はカオルが言った意味が分からず首を傾げた。