Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「髪の毛意外と綺麗だな……」

「…あんまり染めたりしねぇから」


独り言を呟くと、まだ起きていたのかカオルが反応してくれる。


「あんたは黒が似合うよ」

「俺は何でも似合うんだよ」


相変わらずナルシストだな。

私はサラサラな髪の毛を触りながら、昔のことを思い出す。

よくお姉ちゃんが私の髪の毛を乾かしてくれた。

ズボラな性格だから濡れた髪のまま寝ようとすると必ずお姉ちゃんに止められて、私の代わりに髪を乾かしてくれる。

その時間が凄く好きだった。

そのせいでお姉ちゃんが居なくなった後、自分で髪の毛を乾かす時間が昔よりも嫌いになった。


「よし!終わった!」

「悪いな」

「ちゃんと毎日乾かすんだよ」

「…お前がまた乾かしてくれねぇの?」

「甘えるな」

「ッチ」


髪の毛をセットしていないカオルは、更に色気が増す気がする。

私はドライヤーを直しながら、顔だけは良いんだよなと心の中で呟いていた。