Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

これ以上何かしそうになったらぶっ飛ばそうと身構える。

居候の身だけど、そういう男は大嫌いだ。

だけどカオルは私の顔をじっと見て、すぐに腕を離した。


「お前、顔真っ赤だぞ、耳も首も」


そう言われて、火照っている頬を両手で隠す。


「ねぇ!本当にやめてよ!」

「ぶはははっ、可愛いなお前」

「もういいから早く着てってば!」

「はいはい、分かったから枕投げんな」


コイツ本当にムカつく…

信じられる奴だって一瞬でも思った私が馬鹿だった。


「俺仮眠するから騒ぐんじゃねぇよ」

「一人で騒いだりしないから!」


カオルは眠そうに欠伸をしながら、真っ赤な顔をした私を見て笑った。