Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

私が目を覚ますと、とっくに太陽が元気に顔を出していた。

壁に立て掛けられた時計を確認すると昼の12時を過ぎていた。

まずい…寝すぎた…

こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりで、不思議と足取りも軽かった。

窓を開けると涼しい風が私の髪を揺らす。

暫く風に当たっていると、お風呂場からガタゴトと音がする。

…なに?誰かいる?

思わず身構えて人を確認すると、お風呂場の扉から上裸のカオルが髪をタオルで拭きながら現れた。


「驚いた、あんたか…」

「やっと起きたかよ」

「ごめん、なんか凄く寝ちゃってた」

「よっぽど疲れてたんだろ?
別に構わねぇよ」


カオルは水を口にすると、部屋中歩き回りながら髪の毛を拭いている。