Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「……綺月、綺月」


誰かに呼ばれている気がして、私は重たい瞼を薄らと開ける。

もしかして、お姉ちゃん……?

お姉ちゃん、今そこにいるの?


「……お姉ちゃん」


私は近くにあるその手を握る。

暖かい手の温もりが心地よくて、私はまた瞼を閉じた。


「お前、本当は姉ちゃんのことすげぇ好きだろ」


そう誰かに問われ、私は目を閉じたまま頷いた。


「好きだよ、だから……ずっとそばにいて……お姉ちゃん……」


そこでまた私は眠りについた。