Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「じゃあ、いただきまーす!」


奈都の大きい挨拶に釣られるように、自分の家では滅多に言わないいただきますを言った。

奈都の作った料理は温かくてやっぱり美味しかった。


「あの時も思ったけど、本当に料理上手だね」

「頑張ったからね!」

「最初は全部焦がしてたよな」

「それでもお兄全部美味しいって食べてくれるんだよ、優しいでしょ?」

「へぇ、意外…」

「意外ってなんだよ、見たまんまだろうが」


誰かと夜ご飯を食べるのは久しぶりすぎて思わず泣きそうになった。

最近口に入れるもの全部味がしなくて、食べてるのに吐きそうになって苦しかった。

誰かと他愛もない会話をしながら食べるご飯は更に美味しく感じた。