「綺月はこのままだと必ず壊れる」

「…え?どういうこと?」

「アイツ、道端で倒れたことある。
学校でも一度倒れてる。
身体はもう限界なんだよ」


昔の私と同じだ。

綺月は今、私と同じように苦しんでいるの?


「なんであそこまで頑張るのかは分からねぇけど、心まで限界がきたら死ぬぞ」


……死ぬ?綺月が?

ハッと我に返り、私は身を乗り出して聞く。


「私に何ができる?」


そう聞いたくせに、内心は今の私が綺月にしてあげられることなんて何もないんじゃないのかと考えてしまう。


「俺が綺月と話せる機会を作るから、綺月に本音を吐かせろ」

「…本音?」

「あれは本音じゃねぇよ。
アイツは賢い、もっと色んなことを考えてる」


カオルは徐に携帯を取り出し時間を確認する。


「もう時間だよな。
じゃあ、また連絡する」