身代わり少女は主人を慕う

その姿に私は思わず、手を伸ばしそうになった。

でも、いけない。

私達は、こんな事をしてはいけないんだ。

私が手を引こうとした時だ。

将吾様が、私の手を掴んでくれた。


「うた。」

名前を呼ばれただけで、胸がドキドキして、たまらない。

「これだけは、覚えていてほしいんだ。」

「はい。」

「僕は、もうこの手を放さない。」

そう言うと、将吾様は私の手を、ぎゅっと握ってくれた。

「将吾様……」

「身分違いなんて、何なんだ。同じ人間じゃないか。僕は、うたが好きだ。」

その瞬間、私は膝が抜けてしまった。

「うた、大丈夫か?」

「はい。嬉しくて、つい……」

私はもう一度、腰を上げて、窓の外の将吾様を見つめた。

「私も……将吾様の事……」

「うた……」

将吾様の目に、私が映る。