身代わり少女は主人を慕う

「何となくですけどね。兄と同じように、将吾様を見つめていらっしゃいましたから。」

本当によく見ているよ、志麻さんは。

「どうして、身分違いだと分かっていて、好きになるんですかね。」

志麻さんは、はぁっとため息をついた。

「決して、叶わないじゃないですか。」


私は、鏡の中の自分を見た。

綺麗な着物を着て、髪も綺麗にして貰って、りぼんまで付けて貰って。

でもその中身は、農家の娘と一緒。


「人って案外、差なんてないのかも。」

「そうですかね。」

「それか、叶わないと知っているからこそ、盛り上がっちゃうのかも。」

まさか志麻さんと、恋話に華を咲かせるなんて、思ってみなかった。

「もしかして、音羽さんを連れ去ったのって、亮成さんだったりして!」