身代わり少女は主人を慕う

そして亮成さんは、部屋の外に出て行き、私は一人の夕食を迎えた。

『今日は、何があった?』

あの優しい声が、耳に沁みついて離れない。

たったこの1週間、一緒にいただけなのに。


「お元気ないですね。」

志麻さんが、食事の済んだお膳を、下げてくれた。

「今まで二人で食べていたのが、急に一人になったんだもの。寂しいだけよ。」

私は無理に、笑顔を作った。

「でも、これでよかったのかもしれません。」

「えっ?」

志麻さんは、障子の向こうに誰もいない事を、確認した。

「所詮私達とは、住む世界が違うんです。兄の様に、夢を見ないうちに、離れてしまった方が、傷も浅いと思います。」

私は、目をぱちくりさせた。

「志麻さんは、私が将吾様をお慕いしている事を、知っていたの?」