身代わり少女は主人を慕う

一応落ち着いた頃、亮成さんも部屋にやってきた。

「将吾様と、二人きりで会うなと、言われたみたいですね。」

私は、頷いた。

「当分は私が、将吾様の言葉を伝えますので、ご安心下さい。」

それにも、頷いた。


そう、私は頷くしかない。

ここで生きていく為には。

ああ、もしかして音羽さんも、一緒だったのかな。

ここで生きていく為に、親、兄さん達の言う事を聞いて。


それでも、家を出て行きたかった程、嫌だった結婚って……

この家の為に生きる事を決めた音羽さんが、そんな事で家を出るなんて、この家の事を考えなかったのかしら。

まさか、そうまでしても、会いたい人がいたとか!

私はハッとして、顔を上げた。

「うたさん?」

「お嬢様に、親しい男性の方は、いらっしゃいましたか?」