身代わり少女は主人を慕う

「有難うございます。」

私が頭を下げている間に、さっさと女学校の門をくぐる奥様。

味方なのか、反対しているのか、分からない。


そして私達は、校舎の中に入ると、校長室へと足を運んだ。

「これは、久保利の奥様。」

直ぐに分かる程、久保利は大きな家なんだ。

「そして音羽さん。体調はもう宜しいのかな。」

「は、はい。」

適当に話を合わせなきゃ。

「校長先生、こんなにも長くお休みを頂いて、本当に有難うございました。」

奥様は母親らしく、深々とお辞儀をした。

「いえいえ。体調が悪いのであれば、仕方ないです。とは言え、お休みの間、どこかに出かけられたのかな。肌が少し黒くなったような。」

その瞬間、奥様にじろっと見られた。

「嫌ですわ、この子ったら。毎日庭先の散歩をさせていたから、日に当たってしまったんだわ。」