身代わり少女は主人を慕う

初めて、自分から音羽さんの身代わりを、買って出た。

「私は、奥様の言う通り、貧しい家の者です。貧しすぎて、人買いに売られました。」

「まあ。」

奥様は私を、卑しい物を見るような目で見た。

「その上、人買いに連れて行かれた後、最初の手間賃だけで済ませようとした悪い奴らに、家族を殺されたんです。」

「えっ……」

奥様は、私の話に引いていた。

良家の奥様になるような人には、そんな世界があるなんて、思いもしなかっただろう。

「私には、もう家族がいません。この家にご厄介にならなければ、生きて行く事もできません!どうか、やらせて下さい!お願いします!」

何度も何度も、頭を下げた。

「まあねえ。私の鬼ではないから、そう言う事情なら、置いてやってもいいわよ。」