身代わり少女は主人を慕う

「気にし過ぎじゃないですか?」

「有り得ないですよ。」

兄妹揃って、否定された。

それとも何?

この家は、兄弟同士であんなに、接近するって言うの?

うちの家は、そんな事なかったわ!

って、うちの家は、兄弟が幼かった事もあったけれど。

家の事を思い出したら、急に落ち着いてきた。

「分かったわ。」

私は、まだ生ぬるい首筋を、手で拭い去った。


そして、そんな時だった。

障子の外から、笑い声が聞こえた。

「将吾様。お帰りなさいませ。」

将吾様と聞いて、胸がドキッとした。

「お、お帰りなさいませ……」

亮成さんに言われた通り、両手を前に着く。

「ああ、ただいま。」

将吾様は、立ち上がると部屋の中へ入って来て、私の前に座った。

「今日一日で、いろいろあったみたいだね。」