身代わり少女は主人を慕う

「また後で。」

宗吾様はそう言って、私の背後へと消えて行った。


「お嬢様?どうしました?」

亮成さんが、私に話しかける。

「お嬢様!?」

志麻さんも、私の体を揺らす。

「何でもない……部屋に帰りたい……」

「ええ、そうしましょう。」

亮成さんは、私の腕を引いて、部屋まで返してくれた。


「はぁ。どうでした?」

「どうでした?」

私はさっきの、首筋に吹きかけられた、生ぬるい息を思い出した。


絶対、私を狙っている!!


「危険でしょう!あの男!」

「落ち着いて下さい!あの男とは?」

「宗吾様です!お兄様よ!」

はぁはぁと、私は息を切らした。


「宗吾様が……ですか?」

「あ、あの人!私の首筋に、息を吹きかけてきたのよ!」

すると亮成さんと志麻さんは、ぷぷぷと笑い出した。