身代わり少女は主人を慕う

「本当の親なのにか?」

私は、ハッとした。

「本当の親だからです。」

亮成さんは、ためらわずにはっきりと答えた。

息が止まる。

私、これからこの家のお嬢様を、やっていけるのかしら。


「そうか。それは、すまなかった。」

宗吾様は、私の腕を放した。

「そうだな。親子だからこそ、こんな時は顔を合わせづらいな。」

私は安心しすぎて、倒れそうになった。

「お兄様、申し訳ありません。」

ほっとしたついでに、謝っておく。

クスッと言う笑い声が、聞こえてくる。

は?

もしかして、宗吾様?

顔を上げると、宗吾様の顔が、私の首筋にあった。


「いいんだよ。気にしない。」


低い声が、耳の中に響いて来た。

なにこれ。

私は目を大きく開けたまま、固まってしまった。