身代わり少女は主人を慕う

「そして私達使用人には、敬語をお使いにならないように。」

「……分かりました。」

そして再び三人で、歩き始めた。

角を曲がって、真っすぐ進むと、前から一人の男性が、歩いてきた。


「えっ?音羽!?」

私を見て、驚いたその人は、小走りで歩いて来た。

「宗吾様です。」

そう言って亮成さんは、後ろに下がってしまった。

「戻って来てくれたのか?音羽。」

「は、はい。」

「そうか。よかった。これで久保利の家も、安泰だ。」

「は……い……」

思ったよりも、優しそうな人。

精鍛で、男らしい顔つき。

声も低くて、将吾様とは反対の魅力を持つ人。


「将吾とは、会ったのか?」

「はい。お会いしました。」

「どうだった?」

「どうだったと申しても……いつもの様子と変りありません。」