身代わり少女は主人を慕う

志麻さんじゃあ、心の内まで話せなかったんじゃないかって。

そう思えて、自分も寂しくなった。

「はい、できました。」

背中をポンと叩かれて、私は一歩前に出た。

「あら、意外と華奢なんですね。」

ちょっとぼーっとしていただけなのに、触っただけで前に倒れそうになった私を、志麻さんは目をぱちくりさせて、見ていた。

「まあ、そのくらいの方が、お嬢様っぽいですね。」

志麻さんは、私が思ったよりもお嬢様に見えて、安心しているようだった。


「兄様。準備できました。」

志麻さんの一声で、部屋に入ってきた亮成さんは、ほぅっと声を上げた。

「……これは驚いた。お嬢様に瓜二つだ。」

一瞬、亮成さんの瞳が、悲しそうになったのを、私は見逃さなかった。