身代わり少女は主人を慕う

私は思い切って、志麻さんに尋ねてみた。

「ええ。と言っても、ここ1年ぐらいです。」

「お嬢様は、どんな方でした?」

「お人形のような人でしたよ。何を聞いても、言う事は”分からない”。ご自分がない方のように見えましたよ。」


- 妹はね、
  今まで親にも僕にも、一度も逆らった事はないんだ -


将吾様が言った言葉が、頭の中を過る。

「だから、なぜこの家を出るくらいに、今回の結婚が嫌だったのかも、分からないんですよ。」

その時、胸がキューッと締め付けられた。

「お嬢様は、志麻さん以外に、お付きの女中はいたの?」

「いいえ、私一人です。その前は、随分歳を取った女中さんだったみたいですよ。」

寂しい思いをしたんだな。

なぜか、そんな風に思えた。