身代わり少女は主人を慕う

その笑った笑顔は、信頼してもよさそうだ。

「では、志麻。うたさんの準備をして。」

「はい、兄様。」

すると志麻さんは、先程のお嬢様の着物を広げ始めた。

「何を……」

「何をって、これに着替えるんですよ。」

志麻さんは、ずっとこの家に仕えていた人なんだろうか。

お嬢様の着物を扱う事に、とても慣れていた。

「さあ、兄様。部屋を出て。」

「ああ……」

志麻さんに言われて、部屋の外に出た亮成さんは、廊下に座って私の支度を待つようだ。

一方の私は、志麻さんに言われる通りに、今着ているみすぼらしい着物を脱ぎ、お嬢様の着物に袖を通した。

その瞬間、ふわっと良い香りがした。

「いい匂い……」

「ああ。これは、香を炊き込んでいるんです。」