私と亮成さんは、顔を見合わせた。

「……何でも、教えてくれるんですね。」

「当然です。こうなったら、何がなんでも、やり通すしかありません。」

何だか、私よりも亮成さんの方が、肝が据わっている気がする。

「あの……亮成さんは、どうしてそこまで、私に協力するのですか?」

「そうですね。坊ちゃまの、お申し付けだからですかね。」

私は、口を真一文字にした。

「……味方だって、言ったじゃないですか。」

「ええ、味方ですよ。何でも相談してください。」

もう、涙が出てきそう。

昨日の湯殿で感じた安心感を、今、返してほしい。


「では、早速ですが。この家の廊下を、歩いて頂けますか?」

「えっ!?誰に会うか分からないのに。」

急に胸が、バクバク言っている。