髪までおろして、得体の知れない”りぼん”までするなんて、お嬢様は大変だ。

「髪の長さは……ああ、いいですね。後は着る物ですが。」

亮成さんは、高級な柄の着物と、袴を持って来た。

「お嬢様の着物です。普段は、これらの着物を着て下さい。」

「はい。でも、どのお着物を着ていいか。」

「それは、新しい女中を雇います。その者に任せましょう。」

「はい。」

もう言われたら、とにかく”はい”しか言えない。

顔が、どんどん下がっていく。

「女学校へ行く際は、この袴をお召しになって……」

「えっ!?女学校へ行くんですか!?」

「逆に、行かないのもおかしいでしょう。」

途端に不安になってきた。

「私、計算はあまり苦手で……」

「私が、お教えしましょう。」

「漢字も読めません。」

「お教えします。」