私の出発は、二日後に決まった。

次の日、いつものように畑仕事をしていたら、急に腕を捕まえられた。

驚いて振り向くと、幼馴染みのはやてが、私の腕を掴んでいた。

「人買いに売られるんだって?」

その言い方に、私はムッとした。

「違うよ。街に働きに行くだけだよ。」

私は、はやての手を振り払った。

「同じだ。俺の姉ちゃんも、そう言って村を出て行った。でも実際は、遊郭に売られていたんだ。」

胸がズキッとする。

本当は知っていた。

売られて、男の人の相手をするんだって。


その時、はやてがまた私の手を握った。