寂しい。

少しは、引き留めて欲しかった。

って、結婚相手でもないのに、そんな事思うなんて。

私ったら、はしたない。

私は、顔を両手で覆った。


「……家の中に入ろうか。」

「はい。」

将吾様の後をついて、部屋の中に入ると、亮成さんが怒った顔して待っていた。


「どこに行っていたのですか!うたさん!」

「ちょっと、庭に……」

「今、庭の中をウロウロされては、困りますよ。」

「す、すみません。」

その時、将吾様が亮成さんと、私の間に入ってくれた。

「まあまあ、亮成。話は済んでいるから、風呂にでも入れてやってくれ。」

「は……い……」

そう言うと将吾様は、私の部屋から、いなくなってしまった。