「……もう、話は済んでるの?」

お父ちゃんとお母ちゃんは、顔を合わせた。

「どのくらいの銭が、家に入るの?」

囲炉裏の、木が燃える音が、辺りに響いた。

「……知ってるのか?」

「うん。はやてのお姉ちゃんも、そうだったから。」

するとお母ちゃんは、私を近くに呼んだ。

「そうか。知ってるんだね。」

目に涙を浮かべながら、お母ちゃんは、私の手を摩った。

「数年は、食べ物に困らねえくらいの銭は、貰える。」

お父ちゃんは、声を震わせながらそう言った。

私は幼い兄弟が、ほとんど麦の入っていない雑炊をすすりながら、”おかわり”と言う姿を見つめた。

この子達が、お腹いっぱいに飯が食えるなら。