なんだか、気恥ずかしくなった。

こんな綺麗な音羽さんの代わりを、今までしていたなんて。

「本当に、似ているわね。」

そう言って音羽さんは、私に笑ってくれた。

その顔が、本当に幸せそうで。

私は、また目頭がうるっときてしまった。


「ところで、うたさん。」

「はい?」

奥様に呼ばれ、私は振り向いた。

「音羽が戻って来たのだから、あなたはお役目は、ここまでね。今までご苦労様。」

その時、胸がズキッとした。


もともと、お嬢様の代わりだったんだから、音羽さんが戻って来たら、私はこの屋敷にいらない。

それは、分かっていたけれど……


「かと言って、今直ぐ出て行けとは言いません。2、3日中は猶予を与えます。」

「はい……」

私は、力のない返事をした。