身代わり少女は主人を慕う

「まさか!」

私とはやては、顔を見合わせて、音羽さんの部屋に走った。

ちょうど、庭から出たところで、廊下を小走りで歩いている奥様と音羽さんに会った。

「奥様!」

「えっ……」

同じ格好をしたお嬢様が、二人。

「どういう事?」

奥様は、私と音羽さんを見比べて、混乱している様子だった。

「奥様、私がうたです。」

「何ですって!?じゃあ、この子は……」

奥様は、音羽さんから腕を放すと、ハッとした。

「おまえは……音羽!?音羽なの!?」

はやてが言う通り、目の前のお嬢様が、本当の娘だとは、気づいていなかったようだ。

危うく、私が結婚を潰したのだと、誤解されるところだった。


だけどそれを知っても、奥様の怒りは収まらなかった。