身代わり少女は主人を慕う

「ただ……写真で見たよりも、ずっと魅力的な方だ。どうでしょう。もう一度、結婚を考え直しては頂けないだろうか。」

隆一郎さんだけじゃない。

私もはやても、家を出る前の音羽さんの事は、人に聞くだけだったけれど、こんなに魅力的な人だと、思っていなかった。


「すみません。私の気持ちはもう、決まっております。」

「音羽!」

奥様はこの現実を受け入れられないようで、しきりに体を震わせている。

「そうですか。好いたお人が、いるんですよね。」

「はい。」

「僕の出る幕は、なかったのですね。」

「申し訳ありません。」

音羽さんは、ただ静かに頭を下げるだけだった。


「分かりました。」

「隆一郎さん!」

諦めきれない奥様は、立ち上がって隆一郎さんを、引き留めようとした。