身代わり少女は主人を慕う

そこには、決してお人形さんではない、一人の強い女性が、凛として座っていた。

「久保利さん、これはどういう事なのですか?」

「あの……いえ……これは……」

「我々も舐められたものだな。このお話は、なかった事にして頂きたい!」

お相手の家の方は、憤慨して部屋を出て行った。

一人残った隆一郎さんは、静かに音羽さんを見つめていた。


「……結婚を半年伸ばしたのは、女学校を卒業する為ではなかったのですか?」

寂しそうに、呟いた。

「申し訳ありません。」

音羽さんは、毅然として頭を下げた。

「残念です。写真で見ただけですが、僕はあなたを気に入っていましたので。」

「本当に、申し訳ありません。そのお気持ちは、嬉しく思います。」