身代わり少女は主人を慕う

そして、奥様も娘を誉められて、嬉しそうだ。

だが、その後が問題だった。


「私、隆一郎さんとは、結婚致しません。」


はっきりと、音羽さんが口に出して、言ってしまったのだ。

「えっ……」

お相手の方も、唖然としている。

「音羽さん、それは……」

「音羽!何を言い出すの!」

その場にいる人が皆、体を乗り出した。


「お母様、私には好きな人がいます。」


音羽さんの言葉に、ドキッとした。

「好きな人!?女の身ではしたない!」

「はしたない?果たしてそうでしょうか。」

そこにいる音羽さんは、私が聞いている彼女とは、かけ離れていた。

「自分の好いたお人と、想い、想われているのです。何がはしたないのでしょうか。」

奥様は、体をプルプル震わせている。