身代わり少女は主人を慕う

「帰って来たばかりだって言うのに、自分の代わりをしてくれたうたを見て、私が出るって言ったんだ。普通じゃあ、まず様子を見るよな。」

「音羽さん……」

私は、胸がジーンとして、逆に音羽さんの事が心配になった。

急に、お相手の方とその両親に会って、大丈夫なんだろうか。


私ははやてと共に、応接室が見える庭の端に、潜んだ。

「こちらが、隆一郎の婚約者の音羽さんですね。」

相手の声が聞こえてきた。

「まあ、なんて可愛らしいのかしら。お人形さんみたいだわ。」

相手の奥様も、満足のご様子だ。

「お式を半年伸ばしたいと言うご意見、僕も賛成です。十分に女学校で学んで下さい。」

音羽さんの相手だと言う、隆一郎さんも、誠実そうで良いお人だ。


「まあ、音羽を気に入って下さって、有難うございます。」