身代わり少女は主人を慕う

まただ。

亮成さんが、私の事を切なそうに見るのは。

ううん。

亮成さんが見つめているのは、私にそっくりな音羽さんの事。

そんなに、音羽さんの事が好きなんだ。

結婚が決まって、逃げ出してしまったって言うのに。


本当は、一緒に逃げたかっただろうに。


「所詮、身分が違うんです。今のうちに、諦めた方が……」

その時だった。

亮成さんの後ろから、黒い影が見えた。

「そう決めつけるのは、悪い癖だな。亮成。」

月の光に照らされて、現れたのは―――――


将吾様だった。


「将吾様!?」

「俺とうたは、惹かれ合っている。誰も、引き離す事はできない。」

亮成さんに、将吾様ははっきりと、言ってくれた。

「なあ、うた。」

目が涙でかすむ。

嬉しくて嬉しくて……