身代わり少女は主人を慕う

そうしたら、ずっと将吾様と一緒に、この屋敷にいられるって……

そんな事……

私は、はぁっと寂しく息をついた。


そんな事、有り得る訳がないのに。


見上げた月は、いつもよりも明るくて、将吾様を思い出させた。



「じゃあな、うた。待ってろよ。」

「あっ……」

そう言ってはやては、屋敷の外に行ってしまった。

「探しに行くのは、明日の朝からでもいいのに。」

「きっと早く、お嬢様を見つけ出したいのでしょう。」

私は振り向いて、亮成さんを見た。

「あの亮成さん。あんな約束して……私が将吾様を好きな事、知っているのに、どうして?」

亮成さんは、寂しそうに笑った。

「自分が一番、報われない恋だと、知っているからですかね。」

「あっ……」