身代わり少女は主人を慕う

私が人買いに売られると決まった時も、一緒に逃げようって言ってくれたはやて。

小さい頃からずっと、私の味方だった。

なのに、私が一緒にいたいのは、はやてじゃない。

はやての気持ちを考えると、悲しくて悲しくて、仕方がなかった。


「もう、泣くな!」

はやては私の目を、両手で覆った。

「分かったから。俺、うたに泣かれるのが、一番嫌だ。」

「はやて……」

「だから、泣かないで笑っていろ。それでいいから。」

「うん……」

はやての両手が目から離れた時、そこには彼の笑顔があった。

嬉しかった。

私もはやてと同じように、はやてに笑っていてほしい。


だからもう、どんなにつらくても、泣かないって決めた。

女学校の勉強も、亮成さんの勉強も、お行儀見習いも頑張る!