身代わり少女は主人を慕う

そして、はやての顔が、どんどん近づいて来た。

このままじゃあ、唇と唇が、重なっちゃう!

私は、はやての唇に、自分の右手を押し当てた。


「な、なんだよ!」

「ごめん。でも私、はやてとはこういう事、できない。」

「どうして!」

「だって、私は……私は…………」

勝手に涙が、溢れ出てきた。

「……将吾様が、好きなんだもの。」


そうよ。

他の女の人と、一緒にいるところを見せられても、『好きだ』って言ってくれたのに、ずっと何日も顔を出さなくても、好きなんだもん。

仕方ない。


「だから、はやてと一緒に、逃げる事もできない。ごめん。」

私は一生懸命に、涙を拭いた。

はやては、傷ついた顔をして、私をじっと見ている。

「ごめんね。本当に、ごめんね。」