彼の結婚、私の今後。【短編】

セッティングの日曜日まで、一週間。
その間に、彼にけじめを言い渡す必要がある。

もう考えることも疲れてしまって、着替えることもせず、メイクを落とすこともせず、そのまま目を閉じた。
すべて、夢でありますようにと願いながら。

翌朝、枕についたファンデーションの汚れや着たままのしわくちゃなブラウスを見て、重苦しい溜息がついた。

嘲笑うかのような、爽やかな洗濯日和で恨めしい気持ちでカーテンを開けた。そこからはたまった洗濯物を洗い、作り置きを作る。

冷蔵庫には、豆腐と人参、ほうれん草、しいたけ、コーンなどそれなりに色々あるため、無心で作る。入り豆腐、ほうれん草とコーンのバター炒め、にんじんのナムル。それぞれに量を作ってしまうと、食べきれないたべ少量をタッパにいれる。

お昼ごはんはなにか塩気がほしくて、おにぎりをフライパンの上に並べて刷毛で醤油を両面に塗った。

鍋には乾燥だしをいれ、さきほど残しておいたほうれん草と人参、豆腐を入れて味噌を溶いた。

香ばしい香りがしてきて、フライパンに焦げ付くのを防ぎながらフライ返しでひっくり返す。

自分の姿が当時の母親と重なった。今、私の後ろ姿を見る人はいないが、当時の私は母の背中をじっと見ていた。