彼の結婚、私の今後。【短編】

「あなたがちゃんと迎えにこれるまで、まっとくとは言えない。けれど、もしわたしが結婚していなかったら結婚する。いい子にしているからキスしてほしい」

ゆっくり目を閉じた。しばらくしてまつ毛が重なった。頬は互いに濡れていた。
キスをしばらくしたら、過ちが始まった。どうしようもなかった。頭のてっぺんから足の先まで知りたかった。見ていないところがないみたいに、色んなところをまさぐって、舐めて感触を確かめた。いつもは酔いに任せていたが、今日は頭が冴えていた。いつでも思い出せるように、夜が明けるまでずっと存在を確かめていた。今日だけだと、言い訳をして。夜更けの前に家を出た。星が散りばめられていて、針のむしろにかんじた。それでもいい。このことは私とこの夜だけが知っていたらいい。